ながこもギャラリー

作品展2018

宇宙人がやってきた



一年間つくってきた作品を一同に並べ保護者の方、皆様に見ていただく貴重な機会です。一週二週とその準備をしました。自画像を台紙に貼ったり作品展で開くワークショップのモチーフ(宝珠)を皆で形成しました。

今年の作品展は長野市街地にある松裁院というお寺さんと日赤病院ギャラリーで開きます。初め下見をした時、お寺の本堂の迫力に作品がまけないだろうか・・と少し不安もありましたがいざ搬入しこどもたちの作品を置いてみるとその不安も一気に吹き飛びました!夏に描いた泥ドローイングや自信作揃いの自画像、祈りをこめてつくったろうそくや一年の抱負を懸けたひょうたんオブジェ。そのどれもが力に満ち個性を放っています。人数分を展示し終えるとまるでこどもたちがそこにいるよな賑やかで楽しく力強い空間が生まれました!

今年中学へ進級される4名のこどもたち。ながのこども美術学校でもセレモニーを開きました。思えば準備講座より参加してくれていた子は3年半という月日をこの講座での制作をともにしてきましたが、当時の慣れない私達を信じて受け入れて育ててくれました。講座での楽しいやりとりなどを思い返すととても寂しい思いですが、中学校へ行ってもながこもで蓄えたアイデアと集中力でいろんな場面を乗り切っていってくれると思います!卒業おめでとうございます!また遊びにきてね。


「自画像」

「一年間の変化を感じ取れたらいいな」との思いから、自画像を描きました。今年の自画像も先ずは骨を観じることから。眼球が納まっている目の周り、鼻のさきっちょの軟骨、「あー」って大きな口を開けた時に開くあごの骨・・。一通り自分の頭蓋骨を触ってみたところで次は、その骨の周りにつく筋肉を頭皮を触りました。こどもたちひとりひとりの頭皮を触って回りましたが、柔らかな子、しっかりしてる子、毛穴がきゅっと引き締まったように感じる子、様々で面白かったです!

 

肌と口の質感の違いや、まつげ、まゆげなど顔に生えている毛も一本一本どんな方向に生えているのか?ちょっと見えづらいけれど耳もあるね、穴つながりで鼻の穴も!あ、鼻の中にも毛があるぞ!と顔の旅は果てしなくも感じられます。

 

自分の顔を他人の顔を見るようになで回して観察し、たくさんの発見をしたところでスケッチに入りました。見たままを描く。これがなかなか難しいですが今まで触った顔の触感をたよりに、こどもたちも懸命に描きすすめます。

 

そして各自好きな画材で制作スタート。

鏡に写る自分をあるがまま観察する目が養われているのが、絵を描くこどもたちの集中力からジンジンと伝わってきます。髪の毛の量感、瞳のまばゆさ、口元の緊張感、皮膚の色、そのすべてを映しだす表情。まっすぐな観察眼によって描かれた自分自身はどれも本当に素晴らしいと思いました!

 

 

 

 


「ひょっこりひょうたん」

ひょうたんを模刻してそこに今年1年自分が過ごしたい顔を描きました。“ひょうたん描き初め”です。3年ほど前に我が山の家で育てた小さなひょうたんをひとりひとつ配り、それを石粉粘土で模刻しました。丸みを帯びたどくとくで自由な形をしたひょうたんを運試し的につかみ取り「えー!こんな形〜??」「わたしはこんなの〜!」など歓喜の雄叫びをあげつつ制作が始まりました。そういえば模刻をしたことがなかったなあと思い、こどもたちはどこまでモチーフに近づけるかな?と内心思っていたのですが、さすがは日頃の観察眼でみごとそれぞれの特徴を掴んで形を追っていて感心しました。石粉粘土を乾かしたあと一度下地材を塗り、いよいよ表情を描き込みます。

それぞれの小学校の冬休みの宿題ではきっとお習字の書き初めをしたでしょうし、今年ながのこども美術学校を卒業し中学生になる子もいるなか、どんな自分の表情を描き表すか楽しみにしていました。そして出来上がったものは穏やかに笑っていたり、読書をして勉強に励む姿だったり、ダンスを頑張る笑顔だったり。


「キャンドルづくり」

案外簡単にてづくりができ実用的でロマンチックなキャンドルをつくりました。

まずはカラーチップをつくるために一人一色のろうそくをつくってもらいました。スタッフもいれると12色。色はオイルパステルで着けます。ろうそくの乳白色にオイルパステルがなじみ出来上がりはパステル調のかわいらしいチップが沢山できました。

型は今回は紙コップで。割り箸に芯をはさみまっすぐになるよう固定して色付けしたろうそくを流し込みます。3色に分られたできあがったろうそくはどれもみなかわいかったです。チップ入りキャンドルもまるでお菓子が入っているようなキュートさ。

ちょうどクリスマス時期でしたのでメッセージカードも書き添えました。

みんな灯してくれたかな?


「版画」

版画で来年のカレンダーをつくりました。

昨年に引き続き紙版画での制作ですが、今年はさまざまな素材を取り入れてみようとセロハンやダンボール紙や布、薄手のピアスや竹串や針金までためしに刷ってみました。素材によってできるテクスチュアがさまざまで面白かったです。それを用いて来年のカレンダー用の図案を考えて版を制作していきます。バックを白抜きにするためには版だけにインクを乗せ紙の上に置いてバレンで擦りますが、この作業で手に着いた色や下敷きに引いてある台にちょっとついてしまったインクなどが紙にうつってしまい、出来上がりの仕事が少々よごれてしまいました。みんなでいっせいに作業するのでどうしても焦ってしまったり仕事が雑になったりしがちなので、こちらの設営の仕方をもう少し考慮しなければと反省しました。途中、修羅場的な雰囲気が濃厚な刷り場でしたが、完成したカレンダーを部屋に飾って一年見つめる中で来年に活かして行きたいと思います。

 

 


「手のデッサン」

手のデッサンをしました。デッサンをしたのは開講以来初めてです。

初めてのデッサンということで今回はステッドラー社の鉛筆を4本揃え、削り方から始めました。カッターナイフを使っての鉛筆削りは想像以上に難しかったようで1週目はそれで終わってしまいました!(汗)。ポツリとある子が「鉛筆削り機でやったらこんなのあっという間なのになあ・・」ともらしこどもたち全員納得。でもちがう子が「昔の人はみんなこうしてたんでしょ?」という発言にも全員うなずき・・、「まあ、これ削れないと先に進めないからね」という(非情な?)私の投げかけに半ば途方に暮れつつも黙々と作業していました。こうしてようやく削れた芯先はどれも不慣れないびつさでしたけれども、とても愛おしく感じました。

さて、そんな予想外に遅れを取ってスタートしたデッサンですが2週目にいよいよ本格開始。イーゼルを使い自分の手のどのポーズを描くかクロッキーして画用紙に描き進めました。初めてでどうやって描くか分からないという子に、学生スタッフから現役で描いている者のアドバイスをしてもらったり、描き途中の絵を黒板に並べて自分の絵を離れてみるとどのように見えるのかを観察したり。私達美術を志す者が一度は通るデッサンという扉。鉛筆で見えたものをそのまま描くことの難しさと楽しさをデッサンを通じて味わってもらえたらいいなと思っていたのですが、こどもたちの吸収の早さは流石です。初めてにもかかわらずそれぞれの子の独特な観察眼が現れた一枚になりました。

 


「美術を着よう!」

楽しみにしていた学校長の講座です!

「美術を着よう!」と題してTシャツのデザインを考えステンシルで刷りました。テーマは“気持ち良く着られるTシャツ”。まず自分が何を気持ちいいと感じているのかをみんなで黒板に書きました。「お風呂にはいって気持ちいい」「魚釣りが気持ちいい」などなど黒板いっぱいに書き連ね、自分がきもちいいと感じている事を概念として理解しました。(学校長の気持ちいいもあります!笑 )「自分の気持ちいい」を形にし、色と配置を組み合わせ試作をじっくりすすめます。ステンシルは版画の一種です。版画は計画を立てることが大切。ステンシルという技術を得るためにもゆっくり時間をかけました。

そしていよいよ第3週目にTシャツ刷りの本番!事前にレイアウトも考え、新たに型版を切り抜き丁寧な仕事でTシャツを完成させていきました。完成されたTシャツはどれもその子の気持ちいいが感じられ、最後はみんなで試着!そろって記念写真もパチりっ。普段ではあまり関わる事のできない学校長の講座は、こどもたちの笑顔に反映されているとおりみんなとっても楽しそうでした!

 

 


「ドロドローイング」

夏だしドロッドロッになってみたかったのです!

けれどその前に「土」から絵の具をつくることも体験したかった。

そこで第一週目は戸隠地質化石館の田辺先生のご協力のもと採取した戸隠の土を、

砕いて乳鉢ですることから始めました。

 

採取するにあたり田辺先生にご案内頂き戸隠内を車で回りました。5箇所の地積からそれぞれ色の違う土を採ったのですが、その土、「5万年前」から「350万年前」まで想像を遥かに絶する年月を含んでおり、マンモスも踏んでいたかもしれないこの土をこうして触っていることに甚く感動しました。山に囲まれて暮らしていることは、土に囲まれていること。そしてその土は人類より遥か昔からそこに在ったということ。本当にすごいことなんだと改めて気づかせていただきました。

 

そんな土を持って、こども達に採ってきた経緯を説明しいよいよ作業スタート。

湿った土のかたまりをある程度まで崩し、振るいにかけ乳鉢ですります。

頂いた中には岩石もあり、これはさずがにかなずちでは歯が立たず地質化石館からお借りして来た鉄のハンマー&乳鉢でなんとか粉状に。地味な作業なのでこどもたちも飽きていたかもしれませんが、なんとか人数分に分け土顔料の出来上がり。これに膠を少しづつ混ぜ合わせ描いていきました。

 

次の週は各自土を持ち寄り、

今度は大胆に木工用ボンドで練り大きなロール紙に描きます。

もってきた土は同じ色がひとつもありませんでした。「今日採って来た!」という土はひんやりしていて、「俺のは畑の土」はしっかり詰まった感触。「近くの保育園にある地積からとってきた」という土は砂状でサラサラでした。それぞれをバケツに入れ全部の土を手で触って違いを味わい、いよいよ練り込みます。始めは泥に手を突っ込むのに躊躇していた子たちも、この際手でやってみようか!の声がけに勇気を振り絞って手を突っ込み土に触れることができました。

教室をまたぐほどの大きな紙にそれぞれの土を置き、流れさせてみます。

色もスピードも質感もちがう土の絵。最後は全員で協力して描きました。

 

「虫がいそうで手を突っ込むのが嫌」そう言っていた子も最後には自分を超えて泥まみれになって楽しむことが出来ました。今月の泥経験がどの子にとっても成長の養分になってくれればいいなと願っています。

 

 

 


「スケトルン?」

「先生〜、これってスケルトンじゃないのー?」と第一声をかけられ、「イヤイヤこれはスケトルンでいいんだよ。今月はスケスケのれんをつくるんだけど “おっ?これ透けとるんちがう?“ って・・ “スケルトンが透けとるん?・・→ スケルトンがスケトルン・・で “スケトルン “でいいんです!」と言ってみたものの、こどもたち誰一人として「なんでやねん!」のつっこみもなく(汗)・・クスリともプっともないひんやりした空気の中私ひとり暴走してしまった感?で始まった講座です(トホホ・・笑)

 

もとい。

夏なので見た目に涼しくなるような実用的なものをつくりたいなと考えました。

クリアファイルを1枚づつに切り離し、そこへアクリル絵の具で好きな模様を描き

形に切り取って繋げていきます。

 先ずそれぞれの家のどの部屋にかけるかを考えてもらい、そこにあった色やデザインを描いていきました。「リビングは青が基調だから、のれんは緑色っぽくしたい」「トイレに飾りたいからなるべくパステル調の色にして透け感をだしたい」など、こちら側がうーん!とうなるような計画性を持って制作を進めていました。

 

5行8段のシートで計40枚もの切り抜き、シートとシートを繋げる丸カンを通すのも難しかった様子でしたが、協力し合いながら元気な夏色のれんが完成しました!

 

 


「針金あーと」

 

針金アートと一言でいっても本当にさまざまな表現方法があり、驚きです。

一本の針金で、まるでスケッチした線のような繊細な表現や、太めの針金をくるくる螺旋巻きに繋げ、本物そっくりの中型バイクがあったり。私自身も発見と驚きの連続でした。いろいろな表現形態がある中、こどもたちが最初につくる針金あーとは、量感のあるものにしたいなあ・・と思っていました。

 神林学さんという、ワイヤーアートで主に人体をつくっておられる作家がいます。私は神林さんの作品が大好きで、いつかこどもたちと一緒に針金作品をつくるときはこんな感じから入りたいな・・と思っていました。

 

 そこでこの講座では、最初に針金アートの表現の幅広さをネットを使ってこどもたちと一緒に見た後、量感のある人物をつくってみました。

人の身体、自分も当たり前のようにもっている(?)ものなのに実際つくってみるとバランスで成り立っているのがよくわかりました。首という名のつく部位と関節は大切なポイント。少し固い結束線をぐるぐる巻いて初めてつくる人体。こどもたちは皆静まり返って制作に没頭していました。

 

 人体に続いて今度は写真を手がかりに虫や動物をつくりました。

人をつくったときずいぶん針金の扱いにも慣れたので、強度も安定感もあるいい作品につながりました。余り木で台をつくりふんころがし、バッタ、フラミンゴ、白鳥、鹿、トンボ、蟻。かっこいい立体作品が完成しました!

 

 


「動物をつくろう」

茶臼山動物園へ動物の観察&スケッチへ行く予定でしたが、あいにくの雨のため中止になりました。実際の動物を目の前にし、そこでの観察をもとに粘土で制作を進めたかったのですが、う〜んどうするか・・と思考を広げ「生きもの」をつくることにしました。

 

「生きているってどんなこと?」という質問をこども達に投げかけると

「動くこと」「目が輝いていること」「呼吸をしていること」・・・など

普段あたりまえすぎて考えもしないことに思考がめぐり、そのうち面白い答えがどんどん出てきました。「じゃあこのたくさんの生きている証をもった生きものをつくろう!」と、各自イメージするスケッチを描写していきます。どんな動きをして、どこから何を食べて・・。

蛇と猫が一体になったネコヘビや、馬と魚が一体になった生きものや、カラフルな匂いを放つ動物。それぞれの生きものが誕生しました。

 

 


「オリエンテーション」

春は様々な環境が一気に変化する月でもあるのでオリエンテーションと題して、毎週違った内容で楽しく講座を進めました。

第一週は豆本づくり。

A4サイズの紙から4ページの小さな豆本ができあがる簡単な作り方を紹介しました。

第二週はオイルパステル画で「私の好きな◯◯」というテーマで描きました。

今回は黒色のケントに描き、いつもとは違った発色を楽しみました。

第三週は粘土。

箱の中には秘密の生き物が?!何が入っているか分からないまま箱の中へ手をつっこみおっかなびっくり触った感触をたよりにその中身を粘土でつくる、というもの。

中身は2種類用意しまして、こんにゃくと小さなポット。最初は怖くて手を入れられなかった子もいましたが、ちょっとスリリングなこの講座はみんな楽しそうに制作していました。


「パラパラ映像」

コマ撮り写真をならべてパラパラ漫画風の映像をつくりました。

カメラを持って学校を飛び出し近くの公園で撮影開始!

二人一組になってアイデアを出し合い、連続したポージングで何枚も何枚も写真を撮りました。学校へもどってからも黒板を使って絵を描いたり、今年一年の抱負を描いてそれを映像で表現したり・・。

専門学校研究科を修了する学生スタッフに指揮をとってもらい、笑顔溢れるたのしい講座になりました。

 


「自画像」

人間の体内には60兆個の細胞が死んでは生まれ死んでは生まれして私達の生命を保っています。去年の顔、昨日の顔、同じように見えるけど確実に今しかない顔なんですね。そんな大切な今の自分の顔を触って、観察して、感じて描いていきました。

 

 頭蓋骨の形、つむじからはじまる髪の毛の流れ方、目の周りの皮膚の色、くちびるの盛り上がり、鼻とほっぺたのふくらみ、眼球の中・・。見れば見るほど新しい発見があります。絵として完成しなくてもOK。いかに新しい自分を観じて発見できるかに重点を置いて制作を進めました。

 

「鏡の中に発見したものを紙に描き映すことに集中して・・」と声がけをし続け、こどもたちは己の発見をそのまま絵におとしていきました。「肌色は一色ではなく、自分がつくり出す色が相まって出来上がるのかも・・?」たとえばこんなことを実感してもらえたなら、今月の講座は大成功です。


「ぐるぐるコラボ」

みんなで一枚のパネルに絵を描きました。

人数分の木製パネルに水張りをした画面に割り箸ペンを使って、描いては隣の人にまわし描いては隣の人へまわし・・と繰り返し、教室にいた皆と合作していきます。

自分の好きな果物から始まって、次の人からは画面に描かれている絵から想像したものを描き添えていきます。割り箸ペンに墨で描かれた線に色鉛筆で彩色し、完成に近づけます。

 色鉛筆。小さなころから慣れ親しんだ画材ですよね。塗り絵も誰もが経験したことがあると思います。ときにこのカリキュラムは塗り絵になりがちでもありました。墨で描かれた枠の中をただ単に色を塗っておしまい?途中でみんなの集中力が途切れてしまいました。色鉛筆で描く表現の深さを味わってもらいたくて、ちょっと実演・・「緑色にしたいとき、緑の他の色も重ねてみるとこんな深味のある色が生まれるんだよ」

 こどもたちもいろいろな重ね具合をあみ出し、ストーリー展開していく絵柄に思い思いの線や色を塗り重ね、とても面白い絵に仕上がりました。

 

仕上がった絵をみんなで囲みながら「これ誰が描いたの?」「あ、それわたしー!」と鑑賞するのもコラボレーションの楽しみ方だなあと思います。

 

 


「オセロをつくろう」

オセロをつくりました。

駒からてづくりするオセロは想像以上に体力・精神力がいります。

 直径2センチほどの丸木を1センチ幅で切ること68個!(予備駒含め)

普段のこぎりを使わないこどもたちにとって、これは大変な作業でした。

けれど、どの子も投げ出すことなく最後まで丁寧に作業を進め68個の駒切りをやり遂げました!

 さあ、そして次なる壁は両面の色塗りです。

これも思っている以上に手間のかかる作業です。単純作業なだけに丁寧な仕事が仕上がりを左右します。おしゃべりをすることで仕事がはかどる子、もくもくと仕事に集中する子と、タイプは様々でしたが皆それぞれの色のカラフルなオセロが誕生しました。

 ちょうどクリスマスということもあり、駒を入れる袋は竹川先生にお願いし、手作りで人数分つくっていただきました!

 

 今は大量消費社会で、何でも安価で容易に手に入れることができます。オセロもまた、しかり。けれど安易に手に入る品はどうしても安易に扱ってしまいがちにもなります。自分の内側から出てくる表現を大切にするということは、身の回りにあるものと大切に接し、丁寧に観察することから始まっているのではないかと思います。自分と関わる日々、人、物に愛着をもって接してくれたら・・との想いから今月のカリキュラムを組み立てました。

 

 それにしてもみんなめげずによく頑張りました!

学生スタッフのヘルプにも多いに助けられました。ありがとう。

 


「版画」

版画に挑戦です。

版画には技法が数多くありますが、その中で今回は紙版画を制作しました。

ながのこども美術学校で版画ははじめての取り組みとなるため、授業の最初に版画の種類やそれぞれの代表的な技法、それを用いて作品をつくった作家などの紹介をしました。

 ちょっとかための講義の後はいよいよ制作に入ります。

来年1年間見続けるカレンダーだからこんな絵にしようか、あんな絵もいいね、と下書きを描きます。「どこに飾るかでも図案が違うなあ」と言った子もいて、いい視点だなと感心しました。

 画用紙を切り貼りして画面を構成した後、試刷りをしてみました。

試刷りをすると版画っぽさを実感したようで、いよいよ工夫がみられ、制作にも熱が入ります。細かな作業をみんな集中して行い、本刷りへ。墨の濃淡を調整しながらみんなそれぞれにいいカレンダーが出来上がりました。

 

 


「作品展に向けて」

 いよいよ作品展。

「街を美術で飾ろう」をテーマに三枚のひよけのれんをつくります。

ドロッピングから発想した3つの技法「ころがシング」「たらシング」「スタンピング」を黄緑、黄、黒の3色の布に施して行きます。

 こどもたちにとってはじめての大きな画面そして他者との共同制作は、最初は戸惑いでした。どのくらいまでやるのか、自分がやりたいことと他者のやりたいことの折り合いをどのようにコミュニケイトしながら行っていくのか・・。それを導く学生スタッフもどこまでサポートするべきなのか?どんな声がけをしたらいいのか・・学校長の指導のもと皆たくさん考えました。回を重ねるごとに、それらのバランスをどんなふうにとっていけばいいのかが、身体を動かしながら理解がすすんでいったように思います。

 

そしていよいよ本番当日。長野市の繁華街にあるOPENというパブリックスペースでのサテライト授業は、保護者の方々の参観もありこどもたちも少々緊張しながらスタート。学校長が誘導する今までの制作の振り返りで感覚を取り戻し、それからは目の前にある大きな布と向き合い、コンビを組んだお友達とそれぞれよく話し合いながら、見事な制作がすすみました。

 出来上がったのれんを建物に設置し完成!当日に至るまでの2回のワークで得た学びが十分に発揮された作品の前で、それぞれがギャラリートークをして喝采をあびました。

   自分の描いた作品が長野の街に飾られ、こどもたちにとっても美術の力を味わった楽しい経験となったことと確信しています。

 

      作品展二日目は東京よりゲスト講師をお招きして新聞バッグのワークショップを開きました。講師をしていただいたのは四万十川新聞バッグインストラクターの高村典子先生。四万十川は本流に大きなダムがないため現在に残る最後の清流と呼ばれている川です。いつまでもこの美しい川を大切にするため、環境保全の提案していこうと始まったのがきっかけだそうです。昔の買い物は、買ったものをくるくるっと新聞紙にくるんで持ち帰ったそうですが、その発想から新聞バッグがうまれ各地でワークショップを展開されています。今回も大勢の方が参加され、ご指導のもと大人もこどもも楽しくバッグを作って、皆さん嬉しそうに持ち帰っていました。

 

 今回の作品展もおかげさまで盛況の内に終えることが出来ました。

いつも本校の活動を理解しご協力してくださる保護者の皆様、会場の提供や広報活動で大変お世話になったOPENの山貝様、長峰様、学生スタッフのみなさんをはじめ関わって下さった皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました!

 

 


「コラージュで梨」

梨のコラージュをしました。

梨の匂い、味、食感、表皮、重さなど嗅覚、味覚、触覚など五感を使って

自分だけの梨をつくりました。

第1週は味わった梨をイメージ画。

和紙にアクリル絵の具を使って感じたようにどんどん描いていきました。

第2週目は風船をつかって梨の原型はりぼてづくり。

そしていよいよ第3週目に自分がつくったはりぼてに一週目で描いたイメージ画を

コラージュ。梨の匂いの絵、味の絵、表皮の絵を順番に貼っていき

中身も外身もまるごとオリジナルな梨の完成です!


「出てこい!おばけ」

おばけをテーマに自分が描いたイメージ画を立体物にしました。

自分の中にあるおばけのイメージって、どんなのだろう?

改めて考えてみると以外と優しかったり、柔らかかったりして予想外。

最初に描いたイメージ画では、カラフルな色づかいのもの、しっかり形の在るもの、自分のおばけはくさそ〜なんだ!とか、光線を出して相手を倒すんだ!とか・・。想像は大きく広がりました。そして描いた絵を3方向から見た図「3D化」させて、立体へ繋がるイマジネーションを固めていきました。

 その画を元に2週目に紙粘土を使って立体化。3D化の絵を見つつどんどん形づくっていきます。途中で細かな点を変更したり強化したりして、それは思い思いのおばけのかたちが出来上がりました。

 そしていよいよ3週目に彩色です。みんな最初に描いたイメージ画を大切にして色を塗り、自分が描いた絵からおばけが出てくる事に成功!

平面から立体物へ異次元移動できました!

 


「現代美術って何だ?!」

第1週週目は校外授業で「まつしろ現代美術フェスティバル」を見学しました。

パフォーマンスアートやインスタレーションといった普段は見る機会の少ないアートの表現を、作家自身の言葉で説明を聞きながら作品鑑賞をしました。

 一見しただけではその作品にどんな想いが込められているのか分からないものも、ギャラリートークで作家の言葉を聞きながら作品を見つめると、その作家がどんな視点で作品をつくっているのかが分かります。

 ギャラリートークの最初では緊張ぎみだった子どもたちも最後には手を挙げて質問をしていて、色んなアーティストが「自分の感性を大切にしながら作品と向き合って生きている」ことに触れられるいい機会になったと思います。

 

そして第2週、第3週とコンテンポラリーダンサーの徳嵩直子さんを特別講師に迎え、身体を使った表現を楽しみました。

 こどもたちはやっぱり体を使うのが大好きなんですね!徳嵩先生の動きに合わせて水になったり、アフリカンダンスをしてみたり。笑顔がいっぱいの講座になりました。

 最後はこどもと学生スタッフによる即興ダンスも作り上げました。

テーマは「種」。種はふたつの方向へいのちを巡らせます。ひとつは芽となり地上へ伸び、ひとつは根っことなり地中で自身を支えます。こどもたちは芽に、学生達は根っこになり、ひとつのいのちのサイクルを表現することができました。


「静物画」

静物画を描きました。

最初に静物画について説明。静物って何?いつから描かれていたの・・?

本校の図書ルームにある沢山の画集の中から、

静物画の歴史を説明するのにちょうどいい本を数冊もって皆の前で、

図録を見ながらたどっていきました。

こどもたちは食入るように、かぶりついて、身を乗り出して画集を見入っていました。

興味深かったんでしょうね!

 紀元前から始まり21世紀まできたところで、

歴史の最先端である今、教室にモチーフをセット。

場所を決め、こどもたちが初めて使うイーゼルを用意して、

さあ!画家になった気分で描きました!

 

静物画を描くのは、ほとんどの子が初めてでしたが、

とてもよく観察して描いているのにはびっくりでした!

最後にみんなの絵を並べ、それぞれの絵の前でギャラリートーク。

みんな自分の絵に満足していて、それがとても嬉しく思いました。

 

 


「かさに絵を描こう」

傘に絵を描きました。

試作をしようと何気なく購入した百円均一の傘。家に帰り、さて着色しようとアクリル絵の具で描き始め、出来た〜!と思って乾燥させたら・・ペリペリときれいにはがれ落ちてきました。「・・汗・・何故?」と思って素材を確かめネットで調べると、たまたま私が手にしたその傘の材質はビニールの中でも一番塗装できない材質だったようです。そこから画材探しが始まり、行き着いたのが今回使用した「びにから」です。使用時に少し制約がありますが、退色もせず雨にも強く発色もきれいで、どんなビニールにも着色できます。これで大丈夫。試作って大事だなと改めて思いました!

 

 

・・と、上記の件もこども達に話しながら、1週目は図案の試し描き。

ビニール袋を大きく開いて、まずはそこに思い思いの絵を描きました。

2.3週目は実際の図案を考えていよいよ傘に描き始めます。

今回は3原色+白の4色で混色しながら、自分がイメージした図案にそって制作をすすめました。出来上がった傘はどれも楽しくて個性的!

学校前の広場に出て写真を撮っていると太陽が出てきて、たった今自分が描いた絵が影になって足下に現れて、それもまた面白い発見でした。

 


「オイルパステルいろいろ表現」

 

オイルパステルを使ったいろいろな表現を楽しみました。先ずは自分の◯を描くことからスタート。描き終えたら時計回りに紙を回して、となりの人が描いた◯に自分の◯をどんどん足していきます。ぐるぐるまわって全員とコラボレーション。言葉で伝わらない自己紹介が出来ました。

 

2週目はケント紙を使ったモビール風なオブジェづくり。

ケント紙にオイルパステルをのせると画用紙とはまた違った表情が生まれます。

丸く切り取り糸をつけて完成。風に揺れるとくるくる廻ってきれいです。

 

3週目はアナログ表現。自分の味覚を絵にしたら、それぞれの個性が楽しい形になって見えてきます。「アナログ表現ってなんだ?」と思いながらも、初めて取り組んだお友達もかっこいい絵に仕上がりました。この回は学校長も参加しました。

 

 

 

 


開講準備講座「ながのこども美術学校の作品展」

   善光寺表参道の一本東の路地にある「花蔵」は、昔ながらの酒蔵を信州大学の学生さんがリノベーションし、ギャラリーに作り上げた空間です。薄暗い室内は、作品をじっくりと鑑賞するのにちょうどよい雰囲気でご来場いただいた多くの方が、ゆっくり、じっくり、作品を観ておられました。

 

 保護者の方を連れ、自分のつくった作品をひとつひとつ説明してまわっていたお子様たちの表情もとても印象的で(ときどき照れたりしていましたが 笑)皆とても嬉しそうでした。半年間の学びをこうした形で、観ていただけたことがひとりひとりのお子様の誇りとなっていくことを願ってやみません。

 

 当校学生スタッフも、前日の搬入には遅くまでかかって丁寧に展示作業をすすめてくれました。学生スタッフにとっても多くの学びを得た場になったことでしょう。(スタッフの笑顔にはいつも癒されてます)ご苦労さまでした。

 

 


「音楽を聞きながら・・/作品展に向けて」

アニメソング・聖歌・ヘビーメタル・Jポップ・カリビアン音楽 etc など

全7曲を聴きながらオイルパステルで絵を描きました。

右脳を駆使して描いた絵は、どれもオリジナリティがあふれていて

入校当初に比べても、抽象表現をのびのびと楽しんでいるのが分かります。

ちいさな個性の芽は確実に育っていますね。

 


2月4日「色あそび/アーティストになる」

12色のアクリル絵の具を

平筆を使ってマット(不透明)に塗り、同時に混色も楽む課題です。

想像しなかった色との出会いを楽しみます。

 

 


「自画像/自分を知る」

2週にわたって自画像を描きました。

普段何気なくみている自分の顔。

見慣れている顔を新しい視点で探ります。

眼球、ベロの質感、皮膚の表情、髪の毛の複雑な色合い。

新しい目でみると新しい発見に満ちています。

人生の中で一度しかない「今の顔」を描きました。

 

制作中はみんな真剣そのもの。

食い入るように観察しみたものをそのまま描いていました。

どの絵もとてもすばらしい自画像になりました。

 

 

 

「おせちの味を描こう!」

黒豆・数の子・田作り・伊達巻き・紅白なます。

それぞれの意味や由来を学びつつ

試食しながら自分の味覚を絵にしていきます。

 


「ガラス絵/レッツ☆クリスマス」

つるつるのガラスにアクリル絵の具で絵を描きました。

紙と違ってガラス絵の制作はちょっと工夫がいります。

思った通りにできたかな?

 

 

 

「マイ☆地球儀」

サンタさんのいる国は地球のどこにあるのかな?

自分だったらこんな地球をつくりたい!というテーマで制作をすすめました。

アクリル絵の具を初めて使う子も多く、

耐水性の特徴をいかした表現を楽しみました。

 


「動物をつくろう!」

11月のテーマは「動物」。

茶臼山動物園へ観察会に行き、動物をスケッチしてきました。

そのスケッチの中からつくりたい動物を選んで制作。

大きな動物から小動物までそれぞれの力作ができあがりました!

 


2011年10月29日

第2回目です。

みんな元気に集まりました!

 

2011年10月15日

いよいよ開講しました!

集まった受講生と美専校長、講師ごとう先生、チームごとうスタッフが初顔合わせ。その後、楽しい授業が始まりました!!